大洗のアニメ聖地町おこしは本当に大成功なのか?
各所から集めたデータをまとめてみた。
見てもらえば分かると思うけど、大洗は茨城で最も観光客が多い街でありながら、
震災以前の水準に戻せてない。
海沿いの街で風評被害が続いてるからだろ?と思ったが、
近隣の海に隣接する町と比較しても、戻せてないのは大洗だけだ。
海水浴客に関しては、総じて減少している事から、
ガルパンの効果は海水浴客減少分も加算されている為、年間50万人程度はあるのだろう。
その程度の効果で、アニメ聖地町おこし大成功レジェンド枠という扱いである。
50万人ぐらいだと、はっきりいって、ちょっとyoutubeの動画が話題になった程度で増えてしまいます。
NHKの朝ドラ大河の舞台設定効果だと、100万人以上の増加が相場です。
「君の名は。」なんかもかなり来てるようです。ただ、聖地が分散してるので数字には出にくそう。
飛騨市だと、
>2017/03/08 – 飛騨市は7日、2016年の観光客数が100万5881人と前年より3・6%増えたと発表した
このような記事があるが年度統計には反映されてないので、実質13万人増加ぐらいのようだ。高山市は分からないが、元々600-700万人クラスの観光客が来てるので飛騨市の県の統計上昇の14%と同じ比率と仮定すると約+100万人という計算になるが実際はどうか分からない。
もちろん、それは通常は何年も続くものではないので、何年も続いている大洗は成功しているという事にしたいのかもしれません。
むしろ、震災被災地であるので、「成功してるって言わないとそいつが叩かれる状況」なのかもしれないですね。
「戦車アニメ」という隙間産業が成功しているというのもあると思います。
自衛隊の総合火力演習の倍率ってものすごいらしいじゃないですか。そのミリオタ層を確保できているのは大きいと思います。
移住者もかなりの多さで200人ぐらいとの事なので、人口17000人という事を考えると、これは相当な事だと思います。
というか、たった17000人の人口なのに 400~500万人も観光客が来ているのが凄い。
・・・しかし、これって本当に正解だったんだろうか?
ガルパンに介入されなければ、今頃震災以前の水準に戻せていたのではないだろうか?
現に、茨城県全体だと観光客はモリモリ増えており、震災前の水準より1000万人も増えている。
普通に考えると、大洗も比例して増えてないとおかしい。
ちょっと良く考えてみて欲しい。自分の住む県で一番観光客が来ている町が、
アニメにガッツリコラボして一番前面に押し出して観光客誘致をしている・・・
ちょっと、ゾッとしません?そんな不安定かつ大した効果も無いものに、全力は出さないで欲しいというか。
年間500万クラスの観光客が来る町で100万人(20%)以上の観光客増加を見込めつつ、震災以前の水準に戻せることが見越せればそれでも良いかと思います。
恩恵を受けていない店がバタバタ倒れてるようだとちょっとまずいのではないかと思います。
やりすぎてしまって後に引けなくなってるのではないかと。
コラボする→客が来る→コラボを広げる→客が来るというループ。
ファンは、「いいぞもっとやれ」しか言わない。
ガルパンコラボする店としてない店の住み分けはちゃんとしないと、
一般客が遠のきますよね。そして、行政がコラボしてない店を軽視するともうそれは酷いことになりそうです。
例えば、伊豆で最も観光客が来ているのは伊東市(年間1000万人以上)なんですが、
伊東で一番のイベントである按針祭で「あまんちゅ!」のアニメコラボは2016年の放映時は一応やったけど、
2017年はやっていません。あっさりしています。
作品の人気自体が低い(知らないけど)からそうしたという事かもしれません。
アニメの作品の人気というのは、ネット上のアンケートなんかはあってないようなものなので、
実際は主題歌や作品自体の円盤(CD・DVD・Blu-ray)売上や原作漫画(あれば)の発行部数、映画版の興行収入で判断するのが固いです。(それも、チケットや限定グッズ付き等で結構大きな差は付きますが)
アイドルだと握手券が付いてるから売れてるだけのとか多いですよね。
そうなると、実際のライブやイベントの動員数なんかが参考になってきます。
アニソンに関しては昨今はオリコンの大半がアニソンになってるという事も珍しくない状況みたいなので、良ければ売れるはずなので、そこが滑ってると割とどうしようもないかもしれません。行政も協力する価値を見出だせないというか。
ラブライブ!サンシャイン!!の沼津市においては、
2016年の13万人の観光客増加に留まってますが、
2017年は上半期(4~9月)は57万人の観光客増加なので、
2015年からの比較だと2017年は+100万人という見通しです。
既にガルパンの効果は軽く越えてきています。
ただ、作品のテーマ的に冷めやすいという弱点はあるような気がしますが。
地元もそのへんを気にして、積極的に乗っかる者とそうでない者に分かれているのだと思います。
市の姿勢としても内部にかなり反対派が居るような印象で、慎重に事を進めています。
「ラブライブ!」というコンテンツは、前作はキャスト9人を中心に500億円以上が動いたと言われています。
アニメ人気投票みたいのだと上位に来たりすることはない「ラブライブ!」ですが、動かしてる金の量はアニメ業界だと恐らく相当上位なのでは?と思います。
誰でも分かるように書くと、「ガンダム」「進撃の巨人」このあたりも越えているという話です。
(このへんのソースに関しては、上記のワードで適当にググッてもらえば記事が出てきます)
※「ラブライブ!」(μ's)と「ラブライブ!サンシャイン!!」(Aqours)の違いは、
「ガンダム」と「Zガンダム」の違いと似たようなものだと思ってもらえれば。
「サンシャイン!!」に関しても、プロジェクトチーム自体はほぼ据え置きでやっていると思われるため、
キャスト9人が前身のμ'sと同じ6~7年活動する時点で、その金額はもっと増えてるでしょう。
もうこうなるとね・・・大洗に関しては、大成功と言って良いのかわからないですよね。
某所によるとガルパンの大洗への経済効果は5~10%ぐらいらしいですし。
このぐらいの効果ですと、市町村の自力で出してるところも多いですから。
人口17000人ぐらいしかいない町ですから、「ガルパンに占領されてしまった町」
のようになってしまってないか?それだと方向性が違うと感じます。
そのへんも沼津市的には大洗のやり方は良くないと思っているようで、
大洗と同じやり方はしてないように思います。
個人的にも、あまり乗っかりすぎるのはどうかと思います。
現状だとまだラブライブより沼津港のほうが観光資源としては大きいので(また別の記事で触れますが)
沼津に関してはこれだけ恩恵受けてるならもうちょっと乗っかったったれよというぐらいの思いがありますが、
対外的に見ると結構やりすぎだと思われてるのかもしれません。
沼津のやり方は下手だとは思いますが、近隣周辺市町でそれ以上のことが出来たかと問われるとNOであるとはっきり言えます。
ポイントは抑えてるとは思いますのでね。
で、結局お前はガルパンのアンチなんだろ?と思うかもしれませんが、
そうではないので安心して下さい。